ブラッド・ダイヤモンド(ネタバレあり)


美しいダイヤを巡る醜悪な社会構造の問題提起は良いとしても、その中身はまるっきりハリウッド娯楽映画の紋切り型。

ラスト・サムライ」の監督にしては大雑把でガサツな作り。10分おきくらいに盛り上がってはベタな音楽が流れてドアップの連続になる。だいたいアフリカだからってリズミカルな音楽垂れ流しすぎ。

ストーリーも、ハンスーの息子が簡単に殺人兵士になったと思ったら、また親子の情を取り戻したりと唐突で泣けない。デカプーとコネリー嬢の恋愛も取って付けたような軽薄さ。しまいには電話での最後の別れのリアリティの無さに失笑。レオ君は相変わらずの熱演なのだが、ワルのキャラ造りがミエミエの上にしょぼい脚本のせいで空回りに見えて仕方ない。ヘリの空爆のときなんか物陰に隠れてりゃいいものを、息子救出とはいえ、わざわざ銃弾の雨の中に突っ込んでいく不自然さ。ラスト・サムライみたいなベタなスローじゃ無かったのがせめてもの救い。

エドワード・ズウィックってこんなダメダメ演出だったっけ?脚本は、あまりの偽善ぶりに腹が立った「マイ・フレンド・メモリー」の人。これでちょっと納得。ジェームス・ニュートン・ハワードの音楽もやっつけ仕事ぽいし。

ディパーテッド」のレオ君が良かったので期待した分、かなりガッカリして、見終わったら妻に文句タラタラ。ところが妻は普通に感動しているではないか!おまえのお安い感性はどうなってんねん!と言うと逆ギレされて、「偉そうにオマエは何様だ!素直に感動してどこが悪い。オマエの物言いは気分悪いんじゃ!!」と怒られた。人それぞれいろんな見方があるもんです・・・。といちおう反省。それでも☆2つ!