嫌われ松子の一生


相変わらず中島哲也の才気溢れる映像に釘付けになる。「下妻」より洗練されたかんじ。
これだけ陰惨な話を、笑いやミュージカルも交えてパワフルに描写した手腕はすごいけど、何より中谷美紀の起用はミスキャストに思われる。器用にこなしているけど、この役は演技力云々よりも何やらしても本人の地が出てくる存在感のあるタイプの人がやるべきだったろう。後ろ姿の裸でさえも吹き替えというのも興ざめ。
松子の生き方はぶっちゃけ受け身のまんま。男に振り回されてばかりでほとんど共感できない。
その点、黒沢あすかはもうけ役というべきで、自分的にはとても良かった。もっとブレイクしてもいいじゃん。それとキャシャーンはええ男やったね。あんなええ男なら振り回されてもええわ。キャッ。(☆3つ)