美しい夜、残酷な朝


<香港編>フルーツ・チャン
この監督たぶんはじめて。グロな題材だけど香港らしいというか、キッチュな中にも洗練が。クリストファー・ドイルの撮影もきれい。エロオヤジでレオン・カーファイがいつの間にか初老の紳士になっていた。最後にきちんとオチつけて欲しかったが。
<日本編>三池崇史
プロデューサーの意向なのか雪景色の青みがかった映像はジャパネスクぽさがアリアリ。自信ないのかな。なぜか鈴木清順の「陽炎座」を思い出す。球体関節人形も登場。渡部くんもハセキョーも熱演しすぎ。序盤は単調で寝そうだった。
なんか三池監督らしくないと思った。何が三池らしいのか説明できないが。
<韓国編>パク・チャヌク
カン・ヘジョンもすぐわかった。グロ風味も「オールドボーイ」ぽい。舞台劇のような限定空間の中で演技合戦とケレン味ある演出が楽しめる。イ・ビョンホンよりも犯人役のイム・ウォニが食っている。「ガン&トークス」や「シルミド」に出てたらしいがまったく記憶にない。
テーマとしては韓国編は反則ぽくて共感しづらい。残り2編は“情念”がうまく抽出されていた。香港編のラストが軽かったのが残念。3篇ともエグイ描写があるんだけど、それよりいかにもな効果音に醒めた。(☆3つ)