エターナル・サンシャイン

Eternal Sunshine of the Spotless Min


とっても切ない胸キュン映画でございました。
かなり神経質な映画だけど、僕は「自称繊細ちゃん」なので全然OK。荒れた粒子にくすんだ色彩。冬の海とかたまりません。「メメント」ぽい時間軸を遡るような展開。イライジャ・ウッドの出現から?マークがいっぱいになって謎に包まれるが、過去の記憶を辿っていくにしたがって切なさがジワジワと込み上げてくる。
正直な話、これ見ているとき自分も平行して過去の恋愛を思い出すわけですよ。良い思い出もあれば苦い思い出もある。その積み重ねで今の自分が成り立っているんだなぁという感慨。
半落ち」なんかでも記憶喪失はある種の人格の喪失として扱われてたし、記憶の削除はたとえほんの一部であっても重大な自傷行為のようにも思えた。キルステン・ダンストのエピソードはネットで見るところ概ね評判が悪いけど、安易な自傷行為のしっぺ返しを食らったようなインパクトがあり、前半軽いノリだったダンスト嬢の憂いと悲しみに満ちた表情はとっても切なくて良かった。
さすがはカウフマン脚本。一筋縄ではいかない。ゴンドリーも「ヒューマン・ネイチュア」より引き締まった印象。なにより音楽がウルウルしそうに胸を締め付けます。エンディングにも使われる「Everybody's got to learn sometime」がまたしみじみさせるんだよね。Beckらしいんだけど。僕はオリジナルのThe CorgisよりもThe Dream Academyの2ndで聴いたのが好きで、海辺のシーンでこれが流れたとたんにウルウルしました。
内省的でやや後ろ向きだしケイト・ウィンスレットはミスキャストにも思えるけど、もう一度観たいと思う五つ星な映画だった。(☆5つ)