chemistry新作レビュウ

chemistry


ヒップホップばっか聴いてる自分だが、ケミストリーはミーハーに好きです。
といってもアサヤン見たことないし、二人のことよく知らんけど。一昨年の紅白の「My Gift To You」はちょっとウルウルしましたよ。

今回は松尾潔と別れてより等身大な二人の姿が見えてきたかんじ。もうR&Bというよりかなりポップス寄り。

いままでオーバープロデュースぎみだった寄り戻しかも。
自分的にはその商品的に練り上げられた「科学反応」が好きだったのだが、二人のファンにとってはこの方がいいのかな。

といってもやっぱり一流のブレーン、スタッフに固められていて売れ線ははずしていないのだが。

曲を追っていくと、
イントロから続いて、達郎みたいな骨太リズム隊の「US」(モー娘もやってるベテラン河野伸の手堅い仕事)、
今風細かい打ち込みリズムでさすがシングルなクオリティの「Your Name〜」(spanova・森コンビの会心作)。2ステップで快調に飛ばす「My Rivets」までは首都高を流しながら聴くにもピッタリ。

5曲目「This Age」は打ち込みベースラインで音的にはおもしろいが曲はひどく地味。
6の「Bound For〜」もいかにもシングルのB面に入りそうな曲だが味わいあり。これもspanova・森コンビのダシが効いている。

8の堂珍のリードで始まる「Meaning of〜」もフォークのような地味さ。作詞は川畑。
9「Ordinary Hero」はやっと豪快なファンク。シアターブルックの佐藤作曲らしいライブにぴったりの曲。
10「Now or Never」はm-floとのコラボ(この言葉ヤだねすぐ死語になりそう)。これが意外に良くてかなり好き。
11「So in Vain」は今シングルになっていてキャッチーな曲ではあるが、ハモリのところが妙に長いくせにあまりキマッていない。
12「赤い雲、白い星」はアコギなボッサ、サンバ調。アルバムにバランスのために入れたぽい曲で取って付けたような感じがする。
14「アシタヘカエル」と15「いとしい人」もB面テイストで、
シンプルなバックに堂珍の素朴なカラーがうまくマッチしているのだが、川畑のパワフルなビブラートが押しのけてしまってる感あり。

全体として詞も含めて日常寄りでライトな味わい。
売れ線と地味な曲が混在し、統一感は無い。サウンドもバラバラ。
前作で一番好きだった「Back Together Again」のような濃密な世界は無いのが残念。やっぱ自分は人工美が好きみたい。

堂珍がセルフ・プロデュースも含めて自分の色を出してきているが、川畑はどうなのかいまいちわからず、前作でのソロ「No Color Line」が良かっただけにあんな感じを期待したのだが、今回川畑の声で思わず「ウウッ!」となる場面はなかった。

もともとコンテストのための寄せ集めデュオだけに趣味嗜好も違う二人だが、アーチストとしての自覚に目ざめた今後はさらにベクトルが離れるのでは?

てゆか、いまいち堂珍の声が好きくないのです。(ファンの人すみません)
腹から声出てないし、音程つかまえきれないとこあるし、子供が歌ってるみたいだし。彼の歌はニュアンスはともかく声量的に「最後の夜」をいまだに超える歌唱が見られない。

このままでは松尾プロデュースの1st2ndだけが愛聴盤になってしまいそう。
堂珍はサイモンとガーファンクルとか好きらしいが、僕は二人にK-Ci&JOJOみたいになって欲しいんです。できればプロデューサー、ブレーン含めたJodeciになって欲しかった!
やっぱムリか・・。