ロスト・イン・トランスレーション

Lost in translation


うー〜ん。
異国の地で魂の彷徨いをしている二人の淡い出会いと別れってかんじで、しみじみとするものがありました。

しか〜し、問題は日本が舞台ってとこですよ。東京=都市のデカダンは大事なファクターでしょうけど、日本人の特異性を言いたい映画ではないはず。
それでも、やっぱ日本人として笑うに笑えないというか、ことごとくコミュニケーション不全の連続なので、主人公の二人だけでなく見ている自分も凹んでくるんですよ。
マシューなんか、<軽薄>の記号として扱われてるし。

二人の心の揺れ具合が、ドラマチックなストーリーの中ではなく、孤立した疎外感を産み出すところのトーキョーで虚ろにさまようだけなので、よけいに説得力に欠ける気がする。要するに映画的な面白みに欠けている。

ケヴィン・シールズの音楽は良かったけど、Hiromix藤原ヒロシなど全体にインディ系セレブな匂いが鼻についたのも事実。

ビル・マーレイは実にうまかった。S・ヨハンソン、「ゴーストワールド」や「バーバー」でヘンなキャラやってたど、やっと等身大な本人に近づいたかんじ。顔はいいのだが、ムッチリボディと巨乳は申し訳ないが不釣合いだ。

とにかく、いろいろと考えさせられるけど映画としていまいち微妙なのでした。
(☆3つ)