ラスト・サムライ

last samurai


いまさらですけど、らすと侍。

みんな渡辺謙ばっかり誉めるけど、彼にしてみればあのぐらい当たり前ですよ。
それよりも僕はトム・クルーズに惹きつけられました。
始まったばっかでもう号泣。ありがちかもしれん<心の傷>演技に、「7月4日に生まれて」のロン毛・ヒゲ面がダブってなんだか涙が止まらなかった。
場内で場違いにスタートから泣いてたのは僕だけ。

その分終盤の合戦シーンはしつこい桜とスローモーションに興ざめ。場内ですすり泣きが聞こえるところも「あ〜あ、なげ〜よ」とエンディングを催促する始末。
前半のトム君の演技に魅入ってしまっただけに、後半の主役を渡辺謙に代わられたのが残念。

日本の設定かなりマシになってるとはいえ、やはりツッコミどころは多数。ニンジャやゴルフ場はOKですが、カツモトの英語ペラペラと小雪のキスシーンは不自然。特にキス・シーンは、「たそがれ清兵衛」の着替えシーンみたいにストイックなエロにして欲しかった。

滅び行く武士道の礼賛はかなりこそばゆかったが、アメリカ人にとっては他人事のノスタルジーだからできるのではないかという論評もあり、そう思うと最後で自決せずに生き延びたオルグレンに歯がゆさを感じたり・・。

任侠の志にハマればかなり泣けるものの、唯我独尊のヤンキー魂が上から見下ろしているのかと思えば気分は良くない。
なんだか「ボウリング・フォー・コロンバイン」のアニメシーンでインディアンを虐殺するシーンを思い出してしまった。
あるいはマールボロを一服しながらオオカミの剥製を眺めているカウボーイの画づらとでも申しましょうか。
(☆4つ)