カンパニー・マン

company


主役の小心で神経質なキャラは失笑ものだったが、それを除けば序盤はゾクゾクするようなすべり出し。
色数抑えた無機質な映像にピアノ系の音楽も良かった。自分捜しの、アイデンティティに絡んだ展開に「ブレードランナー」級の手ごたえを感じたのだが。

終盤のドンデン返しは驚いたけど、こんなハッピーエンドで終わって欲しくなかった。てっきりリタ(ルーシー・リュー)がルークスを演じているのかと思っていたし。

これはこれで悪くはないが、007風にまとめるよりはアイデンティティの崩壊した白昼夢のようなドロドロにもっと引きずり込んでほしかったのよ。

「愛」で無理やりまとめているが、せつなさ・はかなさが無い!
「CUBE」の監督なので期待しただけに、終盤でただのスパイ活劇に収まっちゃったのは残念。
(☆3つ)