アンダーカヴァー(ネタバレあり)
「NARC」とか「トレーニング・デイ」とかの暗〜い潜入捜査ものが好きな自分には、これだけでご飯3杯食える大好物。カンヌでは箸にも棒にもかからなかったらしいが。話は潜入捜査がメインじゃないけど前出2作と暗くやるせないトーンが似てるんですよ。
キャストから、マーク・ウォールバーグの「フォー・ブラザーズ」が浮かび、ホアキン・フェニックスは「グラディエイター」が浮かんで、頼れる兄貴とコンプレックス抱えた弟の構図が浮かんで主演はてっきりマーク・ウォ−ルバーグと思ったら、どっこいホアキンが主演で、これが涙誘う好演でございました。瞳の奥に漂う哀感がたまりません。
マフィアに身を落とした弟が最後の土壇場で警察官の兄貴をかばって銃弾に倒れ、兄貴に抱えられて死んでいく様を勝手に妄想したけど、全然違いました。マーク・ウォールバーグの見せ場がほとんどありません。父親ロバート・デュバルとホアキンの恋人エヴァ・メンデスの4人が絡んで、こりゃホアキンかエヴァ・メンデスのどっちか殺されるぞと思っていたら、これも見事に外れました。
終わってみればホアキンのほとんど一人舞台。冒頭のパーティシーンがゴッドファーザー風だったので、家族の絆や兄弟の葛藤をじっくり掘り下げて欲しかったが、やや単調な復習劇に終わってしまったきらいも。
それでも、陰影の深い重厚な画づくりと、ほとんど音楽を使わない地味〜な演出はツボにはまりました。
圧巻は雨中のカーチェイス&銃撃戦で、雨音と車のワイパーのガチャコン言う音を立たせていて、地味なアクションなのにリアルさがハンパなく、緊張感で金縛りました。
なんか随所に過去の映画とダブるようなデジャブ感満載のシーンが多かったです。犯罪捜査モノは多いからね。特に、カーチェイスと最後の草むらでの追跡シーンは、なんだか「フレンチ・コネクション」のようでもありました。古いなぁ。
監督は「リトル・オデッサ」のジェームズ・グレイ。ホアキンとマークのコンビで「裏切り者」というのも作ってるらしいので後でチェックしてみたい。
(☆4つ)
久しぶりに映画ネタ書いたので、去年を振り返ってみた映画のベストを記しておくと、
・「ノーカントリー」
・「イースタン・プロミス」
・「フィクサー」
・「容疑者Xの献身」
・「ダークナイト」
・「クライマーズ・ハイ」
あたりだったでしょうか。たぶん10本も見てません。今年はせめて月イチ目指したい。