手紙


クライマックスの「言葉にできない」で全てが台無し。思いっきりテンション下がった。もともとそういうセンスの監督なんだと言ってしまえばそれまでだが。
当の殺人犯の服役囚を放っておいて弟に焦点あてるからには、それなりの必然性が必要だが、原作のミュージシャンではなく若手お笑い芸人に設定変え。山田君に合わせたのか予算の関係なのか。これがぜんぜんハマらずにスベった笑いを連発する始末。ハングリーさがいまいち足りない上に沢尻エリカみたいなかわいい娘があっちから追いかけてくれるんですよ。しかも芸人としてちゃんと売れてくるし。
こりゃどう見ても兄貴の方が辛いでしょ。
原作ではクライマックスでジョン・レノンのイマジンが効果的に使われる(といっても文章の上で)が、映画ではそれに比するような仕掛けもなし。それなのに泣かせに誘導する演出がミエミエでなんか虚しかった。
山田孝之は「白夜行」のイメージそのまんまに過去を引きずった痛切キャラ。杉浦直樹NHKの「繋がれた明日」の保護司を思わせるヒューマニストぶりでキャラかぶり過ぎ。すんなり見れるが新鮮味なし。
もともとカーチャンに引っ張られて観たので文句ばっかり。(☆2つ)