ブレイキング・ニュース


見たままになっていた映画の感想を二つ。両方とも期待はずれだったので。
ジョニー・トーの新作はケリー・チャンをフィーチャー。野郎対決に演出の冴えを見せる監督だけに、女絡めたのが失敗だったのでは?
最初は、同じような若い短髪の、ギャング団のリーダーとワイルド刑事がいいかんじで対決軸を構築していくものの、エリート警察キャリアのケリー・チャンが出てきてから刑事の方が隅に追いやられちゃった。
ケリー・チャンは能面のようなぶっきらぼう顔にピッタリの配役ではあったが、三者ともにキャラの描き込みが甘いのでいまいち盛り上がらない。91分はいかにも短い。スピーディーなテンポのアクションが身上の監督ではあるが、今回はあまり見せ場なし。冒頭のワンカメ長い回しの銃撃戦だけはおもしろかったけど。ステディカムみたいなハンドからクレーンで上下したりしてちょっと不思議。デパルマの「スネーク・アイズ」思い出す。
でもホントそれくらいだった。ちょっと「踊る・・」みたいな警察内幕ぽさも、権力争いや黒幕の匂いもなくあっさり。
あと音楽がひどかった。始終タレ流し。香港ならではの味わいと言ってしまえばそれまでだけど、無間三部作なんかもっと良かったよ。「ザ・ミッション」のクールな切れ味が忘れられないだけに肩透かし食らったかんじ。(☆3つ)