クラッシュ


前半の音楽が「21グラム」のG・サンタオラヤぽくて、内容もそのくらい救いのない悲劇と思ってたらそうでもなかった。群像劇で登場人物が多い分浅かった。マット・ディロンの宗旨替えが解せん!職務に忠実な仕事人間ってこと?わからんわ・・。
LAの街を切り取った36時間は夜の市街の空撮もあって「コラテラル」ぽい。そして人種差別と銃社会がもたらす悲劇は「砂と霧の家」を思い起こさせる。が、そのどれよりも薄味だった。いい話、悲しい話と積み上げていくその構成が軽いのよ。「赤い箱」はいい話で泣けたんだけどね。その後でドーンと落としてくれるんだけど、もっと時間かけてじっくりやって欲しい。
かなり期待した分だけ肩透かし。後半から終盤の音楽はフツーにつまらなくて、あの辺がマーク・アイシャムの限界か。
役者では、別の作品で主演ノミネートだったテレンス・ハワードの微妙な目ヂカラが印象的。リュダクリスも良かった。(☆3.5)