君に読む物語(ネタバレあり)

The Notebook


(HP)
純愛ものは苦手なのに妻に無理やり引っ張られた。「君読む」とか言って略してるし。でも見終わったらこの人、ボロカスなんですよ。
「あんなん奇麗事やんか。うちのばーちゃん、四六時中徘徊しとったで。よその家行って『ウチのヨメは飯も食わさんといじめよるん』ってあることないこと言うてた。実際ボケられたらやっとれんがな。」そんないきなり大阪弁全開でミもフタもないっちゅうねん。
本を読むフリして自分達のラブストーリーを話して聞かせて記憶を呼び起こそうとする設定は面白かったが、そのストーリーが陳腐。女が明るいだけのバカのようで魅力を感じなかった。たいして美人でもなくスタイルも・・。潮騒のような二人で脱いでいくとこやベッドシーンでも露出はなし。大いに不満!(妻も言ってた)
男が手紙を出し続けたり家を一人で建てるとこなどイタイケな一途さにはウルウルしたが、妻には理解できなかった模様。「そういうしつこい男がストーカーになんのよ。」とおっしゃる。
「女は現実的なのよ。過去は引きずらないの。」って言うけど、そんなアンタが選んだのがこのバカ夫ですから!
わたくしは、誓いをあっさり忘れて別の男と婚約するバカ女の神経がわからんかった。そう、スレた中年のオッサンこそ純愛を信じているのだ!
その後三つ巴のドロドロになるかと思いきや、フィアンセの男も理解ある爽やかな男なんですよ。いや、ちょっと前までヘンなゴーグルかけて時々目から殺人光線出してたヤツなんですけど。どっちを選ぶのか興味津々な展開にしときながら後はほったらかし。あの彼はどないなっとんねん!
結局は老夫婦の絆を描くのだから昔の回想の重要度は二の次なんだろうけど、それなら結婚してからの波乱万丈なエピソードで夫婦の結びつきの強さを示すべきだったのでは?
ラストの収め方に至ってはまったくのきれいごと。その前の看護士のオバチャンの粋な計らいも、そこへ持ってくためのつなぎだったと思うと冷めてしまった。
音楽や風景もきれいで、だんだんハリウッドぽくこなれてきたニック・カサベテスだけど、まだまだ親父越えは遠そうだ。(☆2.5)