ヘルボーイ

ヘルボーイ


(HP)
さすがはデル・トロ!というのは中盤までで、最後のまとめはごくごく当たり前なヒーローものパターン。ラスボスのキャラ造形もただのタコだったし。
主人公のヘルボーイは人間よりも人間臭くてとても魅力的。ただ、闘いに関してはチョー強気でチョー頑健ボディなのであまりハラハラしない。相対的に敵の強さ・怖さが引き立たない。地下鉄で暴れる怪物クンは何度も登場して数も増えるのでどんどん怖さが薄れる。「エイリアン」シリーズと一緒。
タイマン対決で凄みを魅せて欲しかったのはイチバンの冷血キャラ、マスク人形のクロエネンだが、これが見掛け倒しに弱い。だいたい初っ端にトンファーみたいな刃で神像真っ二つに切っちゃうんだけど、その後は人と闘っても真っ二つに切らない。アメコミヒーローものでPG指定を避けたんだろうけど、あれはかなり違和感あった。もう見てるこっちは頭の中で「バイオハザード」なみの”人間サイコロ切り”をイメージしてるんだもん。あと、味方だけど魚男もC3POみたいでウザかった。戦闘能力のない奴はいらん。
前半はダークな色調に、ナチスと魔界を結びつけたまがまがしいゴシック調デザインがイケてた。特に魔法陣グルグルに血が流れて、そのド真ん中から血で真っ赤に染まったラスプーチンが姿を現すところはゾクゾクするカッコ良さ。あまりにカッコ良かったために、主役ヘルボーイのコミカルな味付けと噛み合わなかった感がある。こういうダークなトーンなら「バットマン」(ティム・バートンの)や「X−メン」「スポーン」のように笑いなしで影のある哀愁キャラの方が合ってるのでは。(☆3つ)