片腕カンフー対空とぶギロチン

ギロチン


ASIN:B00013F68C
WOWOWもたまにはいいことやるね。でもやっぱ場末の映画館で見るべきだったかも。今日は体調悪くて笑うと首が痛かったし。
まず盲目のギロチンマスター、封神のキャラが素晴らしい。白髪の眉毛が村山富市以上に長いし、じじいなのに素手で闘ってもジミー・ウォングより素早い。武器の飛び道具・首ぎっちょんをなぜギロチンと呼ぶのかわからんけど、こいつの破壊力にもノックアウト。なんかね、投げた後に自分の手元に引くんだけど、その瞬間がとてもスリリング。自分の手がギッチョンしそうなのよ。飛んでく時の効果音もすごいし。
とにかく全篇見どころ(といいますか突っ込みどころ)のオンパレードなので枚挙に暇が無い。ジミー・ウォングはもともとアクションダメダメな上に片腕(バレバレ)なので、そのハンディ克服のためにもケレン味優先な設定や仕掛けが必要だったのかも。
しかも敵を倒すためには手段を選ばない卑劣な作戦の数々が爽やかだ。裸足のムエタイ野郎には床下に火を着けた小屋で闘う「鉄板焼き作戦」とか、相手の弱点をとことん突きまくる。
ラストの死闘も予め「斧トラップ」を仕掛けてぬかりが無い。しかしこの対決もけっこう間延びして長いのよ。効果音の種類が少なくて、基本的にパンチやキックが当たるときの「ばしっ」とそのときの風切り音の「びゅっ」の2つだけ。アクションはいろいろやってるけど単調な音の組み合わせがある種ドラッグ的な効果で見るものをハイにしてくれる。
あと、字幕は当然というか町山さんがやっていて、字幕読むヒマを省いてくれる簡潔な訳が素晴らしい。「ムエタイ」とか「坊さん」とか至って簡潔。でもこれ公開当時は吹き替え版だったらしい。大平透の坊さんも見てみたい。
それから、冒頭の天下一武道会に出てたインド人はダルシムのモデルになった元ネタらしい。元・ダルシム使いとして、あの腕の伸びぐあいには感動した。やっぱ弱いよ!(☆4つ)