コード46(CODE46)

code-46


(HP)
やられました。映像と音楽に。
時に音楽が良くて骨抜きにされました。(タワーレコードのサントラレビュウ)
昨夜に引き続いて不倫ものだった。近未来らしくて、その許されぬ恋の逃避行はまたもや「ブレードランナー」を思い起こさせる。そして人間たるアイデンティティの要件である<記憶>がキーとなるところも。こっちはロケの映像が素晴らしくて、荒涼とした荒地とカオス的な上海の夜の街が否応なしに孤独な人間の切ない情感を浮かび上がらせる。
優性な遺伝子を管理する人間疎外な未来社会という点ではかなり「ガタカ」的。ただ、「ガタカ」では管理社会に抗う人間的なパッションが丁寧に描かれたのだが、こっちは少しサラっとし過ぎな感が。出会いからフォーリンラブまでの唐突さは許すとしても、妻子と幸せに暮らしているウィリアムがいきなり恋に落ちるのはちょっと不自然。<コード46>のオチである程度説明されてしまう気もするが、もっと悲恋を盛り上げる血肉が欲しかった。ただし、ウィンターボトムの演出自体が人物を細かく追うものではなくて、簡潔にエッセンスを抽出して見せるタイプなんだと思うけど。最近ではソダーバーグの「ソラリス」、トム・ティクバの「ヘヴン」みたいな。
サマンサ・モートン、また彼女しかできないようなエキセントリックなキャラだったが、「ギター弾きの恋」や「マイノリティ・リポート」に比べてイノセントさが足りないというか・・。デブ専丸顔好きと言われる僕でもストライクゾーンぎりぎり。アップの多いベッドシーンではいささか辛かった。前半ではセリフも多くて活き活きしていたが、後半は役柄のせいもあってボーっとしたまんま。それでも泣けたけど。
あのベッドシーンでの<三角地帯>の直球なボカシは残念。どうしてオッパイも見せずにいきなりそこに行くのかビックリしたが、終盤の悲劇的なオチを考えれば伏線的メタファー(「トーク・トゥ・ハー」的な?)かもしれないと思ったりして。しっかり見せてくれ!(☆4.5)
人生の中で記憶って大事だなぁと痛感。映画終わって夜の銀座通りの電飾の灯りの中を一人で歩いたら切なさ120%増しになった。思わずケータイ鳴らしたくなったがそんな勇気もなく妻とネコが待つ自宅へ帰った。