アフガン零年:OASAMA

osama


監督のコメントによると、アフガンの現状からも悲劇的な結末は避けられず、痛みを共有してもらうことが復興への足がかりになると期待しているようだ。その通りに救いのない内容。

概して後進国の市民はモラルも崩壊して、したたかに現実主義な生き方を余儀なく選択させられるが、この主人公はひたすら怯えて状況に流されていくだけ。それが見ていてつらい。貧しくても力強くなんて言ってる場合じゃなかった。唯一の救いといってもよかった笑顔の香具屋くん(ていってたかな?)まで泣き出しちゃうし。

社会的弱者の女性と子供。特に女性への抑圧が厳しかった中では彼女の悲惨な状況も生きていられるだけましだったのかもしれない。

新聞やテレビでの断片的な情報しか知らなかったが、タリバンの悪政による市民(特に女性)への迫害ぶりがイヤというほど伝わってくる。ただこれがアメリカなど大国のプロバガンダに利用されなければ良いが。悪政からの開放を謳ったアメリカだって、民間人まで巻き込んだ空爆劣化ウラン弾の使用も公然の秘密になってるし。

復興後の女性の権利の回復もそうですが、とにかく大国やテロリストの食い物にならないよう、国民主権の国家として自立できることを祈ります。

映画見たその日だけ真剣に考えるものの、次の日には忘れて浪費を繰り返すも満たされぬ不毛な日々を送る自分は幸せなのか不幸せなのか・・。
(☆3つ)