21グラム

21g


絶対にこの世に神なんかいない。
そう思わせるほど三人三様に悲しすぎる。
アモーレス・ペロス」見てないんだけど、これも同じく時間軸バラバラ。はじめの方はまったくわからん。こういうスタイル好きだけど、今回のはどうなんだろ?まともにやったらかなりベタベタな悲劇になっちゃうけど。
ナオミ・ワッツがもうけ役というか裸までさらしての熱演。しかし、3人の中で一番無表情だったデルトロにまたもやノックアウト。なんでこんなに可哀想なんだろ?涙出まくり。
しかしいつになったら痩せるのか・・。
ここまで救いが無いと映画としてもつまらないし、ポールがクリスティーナを好きになる理由が明確でないこと、クリスティーナが被害届出さないって言ってたのに唐突に殺意を剥き出しにするところとか、展開が強引なところもある。しかし、序盤の意味不明な画つなぎからもただごとでない緊迫感が漂ってきてグイグイ惹き付けられた。
三人とも思いっきり悲劇の当事者なのだが、S・ペンだけがどこか所在なげで最後の独白(追想?)含めて魂のありかが虚ろになっている。最後は語りで締めちゃったのは困ったが彼の存在が、単純な悲劇で終わらずにこの世とあの世を徘徊させる案内人のような深みを出していると思う。
ストーリーに関係ないが、余命わずかなインテリ教授設定のSペンはじめとしてみんなタバコ吸いすぎ。心情描写のときにタバコ使うのはずるい。やめて欲しい。
音楽がとてもいいです。他所から引用するとこんなかんじ
→「ブルージーなギター・ドローン、ブレイクビーツフォルクローレやタンゴのエッセンスを注入した前衛南米叙情詩が、登場人物のダークな心象風景にひっそりと寄り添う。」 長屋美保氏
映像とか淡々と容赦ない展開とか、「NARC」思い出した。
(☆4つ)
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