グッバイ、レーニン!

グッバイ・レーニン


脱力系コメディとばかり思い込んでました。

けっこうシリアスで泣かせます。が、そこに挟み込まれるユーモア感覚は独特。ちょっとアキ・カウリスマキのようななんとも言えない味わいあり。

東西ドイツ統一の様子が家族の暮らしぶりと共に描かれるので勉強になります。ワールドカップの熱狂もあったけど、当時はまだ統一チームではなかったのね。ちゃんと試合の映像とかもあってフェラーは金髪にヒゲですぐわかった。

統一は、傍目には平和ムードの万々歳に見えるが、実際は両者の経済格差からくる軋轢はかなりのものだろう。自由主義経済は過酷な競争社会でもあるわけで、旧東側は瞬く間に2級市民扱いされるらしいし。

(ネタバレあり!)
最後のところは父親との再会をもっとドラマチックにできたところなのだが意外にあっさり。母親についても真実を知ってしまったのかどうかもはっきりしない。

ベタベタに泣かせるより、行間からにじみ出る余韻を味わう映画なのかもしれない。
(☆3.5)