チャーリーとチョコレート工場


(HP)
腹が出てきて甘いものをガマンしてるオヤジにはチョコの世界はちっとも魅力的じゃなかった。実際、ディズニーみたいなファンタジックワールドというより仕置きのからくり屋敷みたいなんだもん。
ビッグ・フィッシュでもいまいちピンとこなかったけど、今回もダメだった。ティム・バートンと感性がズレちゃったのか。前作と同様に父と子の邂逅が描かれるが、とってつけたようで予定調和すぎ。クリストファー・リーの方にもユニークな味付け欲しかった。ガキのチャーリーが主役なだけに二兎を追ったというかどっちつかずな消化不良。
このチャーリーがいまどき希少な清く貧しく美しい少年。あまりに真面目で気を使う奴なので、他の性悪なガキどもの本音を貫いたワガママぶりがある意味痛快。現実にはウィリー・ウォンカみたいな奇特な変人は居ないので、チャーリーは貧乏暮らしで埋もれてしまう。そう思うと後味悪い。腐ったガキどもはデフォルメされてはいるものの、今や世の中に普通にはびこっているもん。
子が鬼畜なら親も鬼畜ってことで、セットで仕置きを受けるんだけど、更正されることもなく放り出される。このあたりが人間不信なティム・バートンらしさだろうか。
ブラックなティム・バートンの世界に不釣合いな純真・善良な少年を主人公に据えたのがそもそもの間違いなのでは?(☆3つ)